気象予報士兼税理士 藤富 郷

確定申告の時期が終わると、税理士の仕事はひと段落です。ここからは個人向けから決算を行う法人に向けた仕事になっていきます。このタイミングでお勧めしたいのが「クラウド会計」です。

 10年ほど前から始まった会計システムで、現在、急速に広まっています。インターネット上にシステムが構築されていますので、既存の会計ソフトのようにパソコンにインストールする必要はありません。ネットがつながっていれば、いつでもどこでも、会社にいなくても経理の業務ができるので、私にとっても欠かせないツールとなっています。

 これまでの方法で会計データを記録するとなると、銀行に行って記帳した通帳や領収書の束を見て手入力するため、大変ですし間違えやすいですよね。私自身、数字のデータを紙のアナログにして、またデータにするのは手間が掛かり無駄な作業だと思っておりました。 

 それが、クラウド会計になると、銀行やカードのシステムとリンクしているので、自動的に素早くデータを取り込むことができ、大幅に手間が省けるのです。また、クラウド会計上では請求書もつくることができ、そのまま会計データに取り込まれるため、部署をまたいでシームレスな売上管理も可能です。バックオフィス業務である経理を、かなり効率的にこなすことができるのです。

 ただ、会計ソフトを変えるとなると、なかなか勇気がいりますよね。使い慣れたものがいいし、どれを使っても同じだろうという感覚があるかもしれません。会計事務所の指定で、そのまま使っていることもあるかと思います。そのような場合でも、クラウド会計は既存の会計ソフトのデータを移行できますので、これまでの会計データとつながりを保つことが可能です。

 さらに、データがすぐに反映されるクラウド会計の導入は、経営者にとって会社の現状を知るダッシュボードの役割も果たします。社会情勢が大きく変わっている現在、スピーディーな経営判断が求められますので、重要なツールとなり得るのではないでしょうか。

 電子帳簿保存法の本格的な運用など、会計システムもデジタル化が求められています。確定申告や決算のタイミングが来て、ちょうど一年間を振り返っているときかと思います。新年度の新たな目標達成のために、思い切って会計システムを見直してみてはいかがでしょうか。